大気圏を越えて語りだす

東京でサバイブする。地方出身東京在住。エアラインパイロットやってます。お金☓恋愛☓健康☓旅に関するライフハック。

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はてなブログの方もしばらく残しておきますが、新しい記事は移転先に掲載していきます。

 

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エピソード18:ANAとJALが日本で良いパイロットを育てようとする活動が本気で凄まじい。[JAL編:うそ...500万円の奨学金が返済不要!?]

こんにちはトロポです。

 

前回に続きJALとANAのパイロット育成活動が凄まじいことについてです。

おまたせしました。今回はJAL編です。

 

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JAL は私立大学の特定の学生を対象に、500万円の奨学金を提供。恐ろしいことに返さなくていい、500万円与えちゃってる。

2015年、JALは「日本の翼 育英奨学金」の募集を開始しました。

 

http://press.jal.co.jp/ja/release/201504/002329.html

 

内容は要するに、

 

年間MAX30名程度、私立のパイロットコースの学生に

1人あたり500万円あげるよ!!返済?いやいや、いらないよー!

 

私は初めてこれを聞いたときちょっと理解できなかったです。

 

学生に500万円、ぽんっと渡す会社聞いたことありますか?笑

 

現在、私立大学は法政とか崇城とか、訓練費高いですよね...ちょいちょいこの奨学金もらっている学生がいるんです。

 

そしてこの制度もその奨学金をもらったからといってJALに入社できるかは別なんですよ。

 

JALから500万円をもらった人間がANAだったりそれ以外の会社に入社するんです。

 

JALもまた

業界全体、つまり日本のエアラインパイロット全ての質を高めようとしています。

 

500万円もらえてしまう奨学金の募集要項を簡単に訳すと

3.応募資格
次の各号のすべてに該当する者。


(1) 日本国内の私立大学のパイロット養成課程に在籍する学生(外国人留学生を除く)。大学は寄付者と協議の上選定した指定校制とする。


(2) 上記パイロット養成課程において、PPLを取得しているがまだCPLは持っていない者。


(3) 心身ともに健康であり、かつ品行方正で学業及びフライト訓練課程における成績が優秀な者。


(4) 本奨学金の支給期間中、他の奨学金の支給を受ける予定のない者(返済免除のない貸与型奨学金、所属大学による奨学金・学費免除は除く)


(5) 将来、日本の航空ネットワークのためにパイロットとして貢献する意欲の高い者。


(6) 経済的な援助を必要としている者。


(7) 有効な航空身体検査証明書(注1)を保持している者。


(8) 大学の長の推薦を受けることができる者。

 

要は

 

プライベートパイロットライセンス(パイロットのライセンスとして1番最初に取得できる)を取ったそれまでの本人の様子を見て優秀な学生であれば500万円プレゼント

 

凄まじくないですか?

 

理論上、MAX30人選ばれるので、私立6校とすると1校あたり5人は500万円もらえるんですよ?

 

 

 

必死で日本全体のパイロットを育てようとしているJALとANA、なのにこの奨学金の話がエアラインに広がっていないのはなぜか

情報のメインターゲットは高校生なので、そもそも情報が高校生メインにしか伝わっていない。

 

またJALが500万円くれる「育英奨学金」は現状30人ももらえていない=募集要項に叶うような学生がまだまだ少ない。

 

そして500万円貰えた学生でさえ、ほぼJALに入社できておらず、

「JALから選ばれて500万円もらったら、JALに入社できる!」

というわけではないので学生の中での武勇伝にならず、広まらない。

 

自費でのライセンス取得と迷って、私立大学に転入した人でも500万円貰えてしまう。

自費でのライセンス取得を目指される皆さま、入れるなら航空大学校や私立大学をおすすめするのは前回のエピソード17やこの記事のこともあるからです。

 

例として、崇城大学に転入して、そこでJALから奨学金500万円をもらって、結局ANAに入社。

 

あります。

 

もちろん本人の人柄や努力あってのものです。

 

JALとANAの活動から見えてくる本音

日本の航空業界全体を少しでも良くしたいのはまず当然として、

私立大学で優秀なパイロット育て採用したい。

こう考えているのはもはや自明です。 

 

ただ事実として

JALは500万円プレゼントして、プレゼントされた学生がその事実を自信にしてJALの入社試験をトライしてきても

 

なかなか採用されません。

 

 

昨年は大手エアラインに1人は就職できていたのに、今年は0。

今年はそういう私立大学もあります。

 

金銭面の負担を少しでも軽くすることで、優秀な人間に私立のパイロットコースに入学・転入してもらい一生懸命パイロットとして成長してほしい。

 

現状なかなか基準を満たす人が現れないが、優秀で人格も優れている人なら取りたい。

 

これはJALの本音といったところでしょう。 

 

まとめ

高校生が私立のパイロットコースを選ぶ理由として、早くパイロットになれるという観点もあるとは思いますが、

(ちなみに航空大学校でも大学を中退し20歳で航空大学校に入学すれば私立大学パイロットコースと同じ若さで会社に入社できます、ただ最終学歴は高卒になります。)

 

「自社養成」や「航空大学校」のように周りのレベルが高く、高倍率の中で自分は生き残れないと思った。でも万が一の大学卒業の資格が欲しいしそしてパイロットになりたい。

こういうメンタリティの人、そこそこいるのではないでしょうか。

 私の周りの私立大学パイロットコース出身の人は、わりとこの考えがあって私立大学に選んだと言っていました。

 

もちろん私立大学パイロットコースの人全てがそうとは言いませんが。

 

この考え方を批判をしているわけではありません。

ある意味パイロット向きともいえます。

自分がどこなら生き残ることができ、現実的に結果を出せるのか考えることができていると言えます。

 

ただその考えの人ばかりの集まりになるのは、また違うと思うのです。

 

パイロットの訓練は仲間と切磋琢磨することが最もその効果を発揮できるものです。

 

自社養成や航空大学校にチャレンジできるくらいの能力や気概を持っている。

けど大学卒業の資格を取得し、かつ若くしてパイロットになれる私立大学にあえて挑戦する。

 

こういう考えの人が増えると、この私立大学のパイロットコース、そして航空業界は確実に変わってくると思うのです。

 

 

これまで紹介した通り、少しでも多くの、能力と気概をもった人間にパイロットを目指して欲しくて、

JALとANAが本気で活動しています。

 

私立大学のパイロットコースの費用は高いことには変わりはないですが、500万円貰える奨学金は本当に凄まじいですね。

 

願わくばこの記事をきっかけに費用の目処がつき、夢を叶えることのできる人が生まれますことを。

 

 

 

 

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エピソード17:ANAとJALが日本で良いパイロットを育てようとする活動が本気で凄まじい。[ANA編:学校への支援体制と現役キャプテンの派遣]

こんにちはトロポです。

 

あまり知られていないものの、今JALとANAが本気で1人でも多く日本で優秀なパイロットを育てようともはや必死に活動しています。

 

その全てを解説します。まずはANA編です。

 

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ANA×JAL共同で無利子で500万円の奨学金を貸すよ

 https://www.ana.co.jp/group/pr/pdf/20171128-2.pdf

 

2017年、ライバル会社のANAとJALは共同で奨学金を提供することを発表しました。

無利子で500万円借りれます。

 

始めた頃の対象は桜美林大学、東海大学、崇城大学、千葉科学大学、日本航空大学校、新日本航空株式会社、最近は第一工業大学も追加されたようです。

 

2019年度の各養成機関の募集人員は

桜美林大学:5人、東海大学:5人、崇城大学:5人、日本航空大学校:3人、新日本航空株式会社:3人、千葉科学大学:3人、 第一工業大学:3人

 

これにお世話になってる現役の私立大学パイロットコースの人も結構います。

https://www.u-tokai.ac.jp/prospective_students/news/%E4%B8%80%E8%88%AC%E7%A4%BE%E5%9B%A3%E6%B3%95%E4%BA%BA%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F%E6%93%8D%E7%B8%A6%E5%A3%AB%E8%82%B2%E8%8B%B1%E4%BC%9A%E5%8B%9F%E9%9B%86%E8%A6%81%E9%A0%85.pdf

 

ただしこの奨学金の注意点は、学校を卒業した翌月から返済が始まるということです。

10年で返済とすると、年間50万円、つまり1ヶ月で4万円程度の返済になります。

 

入社したばかりの頃はまだ給料が高くなく、しばらくはご両親に借りるなりする必要があるかもしれません。

 

ANAは学校に支援体制を作り、なんと現役のキャプテンを派遣している

 ANAは2006年に、東海大学のパイロット養成コースの設立に際し、東海大学を支援する体制をとりました。

当時は初めての私立大学のパイロット養成コースの誕生で、エアラインとしてその卒業生をパイロットとして採用することは未知の領域で何の保証もない時代でした。

 

しかも基礎訓練を受けている学生の質を上げるために、 

教授として現役のANAのキャプテンを学校に派遣することにしました。

 

当時は衝撃的な事だったと思います。他の企業で社員を学生の教育のために大学に派遣しているなんて聞いたことありますか?

 

しかも必要なパイロットは、航空大学校と自社養成で確保できていた会社が、です。

 

教育した学生すべてが後々ANAに入社するならまだ理解できますが、ANAに入社しない学生にも教えを伝えるわけです

 

つまり航空業界全体のために、という考えですね。

 

こんなことはよっぽど企業体力がないとできません。

 

東海大学の卒業生は日本で就職活動前にシミュレーターでお世話になったりと心あたりがありますよね?

 

上記のような経緯もあり、東海大学からJALに入社はしていませんが、ANAには毎年10人いかないくらいの人数が採用されているようです。

 

JALは全ての私立大学を合わせてもこの規模の人数を採用してはいません。

 

ANAへの就職実績だけで見るなら東海大学は他の私立パイロットコースから頭1つ抜けています。

 

 

ANAは航空大学校に現役の機長を2人教官として派遣して直接フライトを指導している

https://www.aviationwire.jp/archives/114680

 

これも衝撃なんですよね。

2014年からANAは現役の機長を派遣していますが、

つい昨日までB777のような大型機に乗っていたキャプテンを、航空大学校で小型のプロペラ機での教官として派遣しているわけです。

 

学生は基礎訓練で直接、現役ANAのキャプテンからのフライトを教わります。

 

他の私立大学や民間訓練会社では、訓練委託先である民間訓練会社の外国人だったり日本人のパイロットからの教育ですが、航空大学校では直接ANAのキャプテンが航空大学校の教官と共に教えているわけです。

 

航空大学校の訓練の質の高さがここからも良くわかります。 

 

航空大学校でもANAに入社しない、なんならJALに入社する学生にもフライトをしっかりと教えているのです。

 

こんな業界ありますかね?

業界全体、つまり日本のエアラインパイロット全ての質を高めようとしています。

 

 次の記事はJALの取り組み紹介です。

 

まとめ

 

ANAとJALがタッグを組んで500万円を無利子で貸してくれる。

ANAは東海大学や航空大学校に現役のキャプテンを派遣。

航空大学校では実際プロペラ機で学生と一緒にフライトして教育を行っている。

 

 

 

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エピソード16:エアラインパイロットになる夢を叶えたいなら、絶対に考えなくてはならない3つの柱 [エアラインで働くイメージ2]

こんにちはトロポです。

 

 

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前回に続き「エアラインで働くイメージ」シリーズその2です。

私がプロとしてエアラインに入るにあたり、悩んだ3つの柱についてです。

この記事が皆さんの決断を後押しすることを祈って。

 

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プロのパイロットとして就職するその入口に来たときに難しかったのは「大手に行きたいのか?」と「経済的に成功したいのか?」と「国際線を運航したいのか?」だった

今より少し前、私が基礎訓練を受けていた時は、毎日訓練で忙しい中でも就職の準備を少しづつ進めていました。

 

訓練の中にはナビゲーション(NAV)といって、出発地から目的地まで自分で飛行計画を作ってその計画通りに飛行機を飛ばす訓練がありました。(例、宮崎から大分まで飛行)

これが今のエアラインパイロットとしての仕事に最も近い訓練でした。

 

当時はまだお客様を乗せてはいなかったのと、CAもいないのでその違いはあるものの、飛行機を飛ばすことに関しては大学の頃よりもずっとずっと理解できました。

 

当時は寮生活だったので、同期だけではなく、先輩後輩とは部屋の扉を開ければすぐに会話することができました。

 

自分自身が訓練を乗り越えてプロのライセンス(CPL=事業用操縦士)を取得する頃には、一緒に暮らした「先輩の就職」が寮内に報告されてきます。

共同生活をしているので、どんな性格の先輩がどの航空会社に入ったのか、後輩にとっては単純な成績や人数などの数字以上に重要な情報がそこにはありました。

 

就職された先輩にはその会社の内定を受ける理由も聞きます。

そうするとこの先自分自身のパイロットとしての未来を考えるにあたって3つ重要な点が浮き出てきました。

 

大手じゃないとだめなのか?

経済的に成功したいのか?

国際線を飛びたいのか?

です。

 

大手を受けない人もいる

CACは確かに大手を目指す人が多かったように思います。

でも家族がいる沖縄や、大阪に絶対住みたい。

こう考える人もいて、大手ではそれは叶わないのでそれが叶う会社1本で受験される方もいました。

例えばメーカーに総合職で入社して結婚した途端、単身赴任で家族から離れ離れ。

私達の世代はこういう生き方を忌避する傾向があるのは大学の頃から感じてはいました。QOLやコスパ、名より実をとる。そういう空気感です。

 

A320とB737のプレミアムライセンス

エアバス320とボーイング737は小型機に分類されるJET機です。

実はこの2つの機種のライセンスはプレミアムライセンスだとかプラチナチケットとも呼ばれています。

理由は簡単です。

「全世界でA320とB737のライセンスを持つパイロットの需要がこれから大きくなるから」

エピソード2でも説明した通り、スペシャリストのパイロットはより良い条件を求めて世界中の航空会社に転職することができます。

この時にA320かB737のライセンスを持っていてそのJETでの経験の時間が1500時間もあれば破格の待遇のエアラインにもAPPLYできるのです。

 

では自分の未来を日本ではなく世界のエアラインで働くところまで広げ、最も最短でA320やB737のライセンスを取得する道は?

 

「すぐにパイロットに昇格させてくれてB737やA320を飛ばしているエアラインに就職すること」

 

これって大手じゃないんです。大手では地上業務が長いし、A320やB737で副操縦士になれるかわからない。

 

大手以外のエアラインが志望の1番に来る人も出てくるわけです。

そしてエピソード4で説明した通り、世界の制度の歪みがあり日本は異常に早くA320やB737のパイロットになることができます。

 

資本主義の世界では、基本的により資本(お金)を稼ぐのは正しい行いです。お金を稼ぐことを通して他の誰かの役に立ち、幸せにしているのですから。

 

今、自分自身の人生をチャレンジングで経済的にも最も効率の良い道とすることを考えるなら破格の待遇の海外エアラインに挑戦するのは合理的な選択肢になるのです。

 

先程のQOLとは全く違う考え方です。KPIを資産性や日本人で挑戦する人が少ないといったところに置いています。

 

国際線を運航したいのか

国際線を運航する。ロンドン...ニューヨーク...シドニー...モスクワ...北京...上海...ハワイ....

 

華やかで、楽しそう、日本のグローバルビジネスエリートを商売の決戦場に送り届けるという意味でも社会的意義も大きいでしょう。

 

家族の一生の思い出となる旅行のお手伝いもできるかもしれません。

 

そういうイメージを持たれる方も多いでしょう。

もちろんそれは事実です。

 

ただパイロットとしては国内線だけしか飛ばないとは話が違ってきます。

 

長時間のフライト、時差、徹夜、日本の空とはまた違った様々なルールをしっかり勉強して、地球レベルでの大気解析をしてフライトに望まなければならない。

 

海外の治安は日本ほど良い国はありませんし、旅行に行くわけではないので自宅と違う慣れない環境下でも休息を取らなくてはなりません。

 

そして着陸回数はどうしても少なくなってしまいます。

 

私の夢は

「大型JET機を操縦するパイロットになりたい」

でした

 

操縦するには色々あると思いますが、今のJET機を運用する環境で最も操縦していると思えるのは着陸です。

はっきり、着陸はめっちゃくちゃおもしろいです。

 

でも国際線主体の人生はその着陸回数は国内線だけ飛ぶのに比べると確実に大きく減るでしょう。

 

大型機になればなるほど、より遠く、もっと遠い国に行くことができます。

距離が遠くなればなるほど、月に飛べるフライトタイムは限りがあるので、その分運航できる回数が減って、着陸できる回数が減ります。

 

国際線運航のジレンマです。

 

私達は何になりたいのか

パイロットとなってどんな人生にしたいのか。

それは人それぞれだと思います。

ただ1つ言えることは、どんな会社に行こうとも飛行機を飛ばすということは変わりないということ。

そしてこの日本の未来の大きな発展が望めずとも、パイロットとしてのキャリアは世界で通用するものであり、スペシャリストとして選ぶ仕事としては悪くないと思います。

 

経済的リスクヘッジが取れて、かつフライトすることが楽しめる。

 

そう考えられる人なら、JAL×ANAだけでなく全ての日本のエアラインはどこも選ぶ価値のある会社と言えるのではないでしょうか?

 

 

自分で悩み努力し決断した道ならば、後からその道を正解にすれば良いのです。

 

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エピソード15:エアラインパイロットになりたいのか、JAL×ANAにいきたいのか、国際線パイロットになりたいのか、私達は何になりたいのか?[エアラインで働くイメージ1]

こんにちはトロポです。

 

エアラインに興味のある方々は自分が何になりたいのか、いつ想像したのでしょうか。

現役でエアラインパイロットやっていて、私は自分がこの仕事のイメージや将来の姿を明確に意識できたのは航空大学校で訓練をしてからです。(もしかして遅い?笑)

 

エアラインは国はもちろん、日本国内でも会社によって全くカラーが違いますし、勤務内容も違ったりします。

CAなんかは特にそうですよね。

LCCとレガシー(大手)では会社のコンセプト が違うのでサービス内容や勤務体系が全く違います。

特にビジネスクラスがあるかないかで全然違います。

 

パイロットにも違いはあります。

それは操縦する機種だとか、就航する路線だとか。

外国に行くかどうかも違うわけですね。

 

2020年卒の就職活動も始まってますね。

 

エアラインを目指して何になりたいのか?

皆さんが将来をイメージするのに参考になるような、今回の記事は「エアラインで働くイメージ」シリーズその1です。

 

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航空会社を知らない人はいないけど

きっとこの記事を読んでくれる人には

 

 

小さい頃からJALやANAのファンで、旅行した時の素敵な思い出が宝物で、航空会社への夢や憧れを抱いている人もいると思います。

 

女性の中には親がエアステージを毎月買って読ませてくれたっていうお嬢様もいるかもしれません。

(エアステージは航空業界関連の雑誌ですが、女性向けの内容がほとんどの雑誌です)

 

 

 

AIR STAGE (エア ステージ) 2019年5月号

AIR STAGE (エア ステージ) 2019年5月号

 

 

 

 

エアラインの社員の中にはエアステージに載った人もいるのではないでしょうか、表紙に載った子もごくごくたまにいます。

 

 

逆にJALとANAの違いがわからない人もたくさんいるでしょう。(私も大学入るまでは違いが良くわかりませんでした笑)

 

そんな人でも航空会社はB to C(Business to Customer)企業(つまりお客様は法人ではなく一般の消費者が対象の会社)

なので航空会社が何をしてる会社なのかわからないって人はいないでしょう。

 

そう航空会社は飛行機を使用して、人や貨物をある地点からある地点まで送り届ける仕事をしています。

 

その中でも様々な仕事をする人がいますが、パイロットのイメージって皆さんどんなイメージでしょうか?

 

Good Luckやミス・パイロット、ハッピーフライトなんかのドラマや映画のイメージが強い人が多いかもしれませんね。 

 

みんな知っているけど、実は知らない。そんな世界だと思っています。

 

エアラインパイロットと他のパイロットの違いは?

パイロットに興味がある人は考えたことがあるでしょうか?

エアラインパイロットになりたいのか、自衛隊等で戦闘機や輸送機のパイロットになりたいのか。

 

パイロットといっても実はそれ以外にも色々あります。

まとめて使用事業という言い方をします。

 

使用事業は、空撮や農薬散布だとか遊覧飛行だとか、セスナみたいな軽飛行機やヘリコプターを使う仕事ですね。

ニュースなどで空からの映像が流れると思いますが、使用事業のパイロットはあそこで活躍しています。

パイロットの民間訓練会社も使用事業の会社だと分類することができますね。

 

ではエアラインパイロットとは何か?

定期的(ダイヤがある)又は不定期(チャーター機)に、人や貨物をある地点まで送り届ける会社(=エアライン)のパイロットのことです。

 

だいたいジェット旅客機を扱っていればエアラインと思って大丈夫です。

 

エアラインとは別で、小型ジェット(プライベートジェット)を使う仕事がありますが、これは資産家(ZOZOの前田社長とか)が雇ったパイロットが社長や社長の会社が所有しているジェットを飛ばすというカタチで仕事をしています。

この世界はちょっと一般からはかけ離れてますね笑

 

(プライベートジェットでは実は日本の製品が今アツいんですよ。ホンダのホンダジェットです。)

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ホンダジェット

 

パイロットにも色々あるわけです。

 

エアラインパイロットになりたいの?それとも有名なJALやANAで働いていたいの?

さてここでエアラインパイロットを考えている人に問います。

パイロットになりたいの?それとも単にJALやANAなどの大手で働きたいの?

 

航空業界を良く知らない人はパイロットってJALかANAに入社してなるものではないの?と思っててもおかしくありません。

 

また航空業界に詳しくて私立のパイロットコースや航空大学校に入学を考えている人も、エアラインパイロットになりたいけど実はどの会社で働いてみたい、というのは具体的に考えていない人がほとんどじゃないでしょうか。

 

それでも良いと思います。日本の会社って給与とか福利厚生とか大事な情報が採用ホームページからだとあまりわかりませんから。

 

ただ絶対にこの道を目指すなら、自分は大手航空会社じゃないとダメなのか、それともスペシャリストとしてのパイロットという仕事をしたくてこの道を目指すのか一度しっかり考えてください。

 

そして考えるにあたって絶対私のこの記事が役に立ちます。

 

現役パイロットが考える、大手航空会社のメリット・デメリット

ANAやJALのパイロットと他の会社とを比べて考えてみました。

 

大手のメリット

①給与水準と福利厚生が良い

②日本のエアラインで大型のジェット機を操縦できる(B777、B787、A350、A380)

③長距離国際線を経験できる(ニューヨークやロンドンなど)

④ブランドイメージ、知名度が高い

 

パイロットとしては日本で②と③が叶うのはANAやJALだけです。

 

大手のデメリット

①副操縦士になってから機長に昇格するまで約10年と長い(大手じゃなければ最短6年くらい)

②長距離国際線に乗るが故に、時差、徹夜、日本にあまりいない、長時間の勤務など体に負荷がかかる

③複数の機種に乗ることや国内から外国まで様々な知識を要求され、勉強量が多い

④大型機に乗ると着陸回数が少ない(これはパイロットの皆さんはデメリットとしてけっこう思うんじゃないですかね)

 

①は大事です。やっぱり機長にならないとこの仕事の醍醐味を全て味わうことができなんですよ。私もまだ若手の副操縦士ですがやっぱり早く機長になりたいですね。

待遇も仕事の面白さも全然違うと聞きます。(責任も重くなり最終責任者故の孤独も感じるそうですが)

 

スペシャリストとしてのパイロットを考えるなら機長に早くなった方が良い理由として資格とPIC時間があります。

 

機長の資格はATPLと呼ばれますが、これと機長時間=PIC(Pilot in Command)時間はパイロットのキャリアの黄金の矢です。

 

パイロットの能力は世界共通であることはエピソード2で記事にしました。

 

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ここで海外でも通用すると書きましたが、海外のエアラインで機長という職業に応募するためにはほぼほぼこの、ATPLという資格とJET機でのPIC時間が必要になります。

 

つまり機長に早くなればなるほど海外で機長として通用するスキルを蓄積できるわけです。黄金の矢ですね。

(例えばエミレーツのA380やB777の機長にAPPLYするにはジェットで3000時間のPIC時間が必要です)

 

②ですが、健康に関しては言わずもがなですね。パイロットが健康オタクが多いのも頷けます。

 

③は例えばボーイングの機体とエアバスやエンブラエル、ボンバルディアとは設計思想が違いますし、それぞれマニュアルが違います。パイロットは1つ1つの空港について研究して仕事に臨むので路線数が多いとそれだけでげっそりです。

 

④着陸がやっぱり面白いんですよ。難しいですが。基本マニュアルで着陸しますがスペシャリストとして自分のスキルの上達がこれほど感じることができるのはそうそうないでしょう。

 

長くなったのでその2に続きます。

 

まとめ

エアラインとは航空機を使って人や貨物をある地点に運ぶ会社。

大手航空会社のメリット・デメリットを考えてみた。

 

 

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エピソード14:エアラインパイロットとして就職して、地上業務ってどんなことしてるんだ?パイロット訓練生を恋愛で落とすには。

こんにちはトロポです。

 

 

今回もパイロットのキャリアや採用について書くかと思いきや、エアラインの地上業務ってどんなことをしているんだろう?恋愛とかどうなの?

ってところを書いていこうと思います。

楽しんで読んで頂けたらと思います。

 

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エアラインに入社した!パイロット候補生の地上業務って何!?

多くの日本のエアライン(=航空会社)では、入社したパイロット候補生にはまずパイロットとして働いてもらうわけではなく、エアラインの様々な部署に配属させてそこでの業務をさせます。

パイロットの仕事はフライト=空中での業務

パイロット以外の業務=空中ではなく地上で行う=地上業務

 

こういう考え方で地上業務と呼ばれる仕事をするわけですね。

その地上の期間はバラバラで会社毎に違うし、同じ会社の中でもパイロット候補生がたくさんいて訓練までの順番待ちが長いと同期入社でも地上業務を行う期間に差が出ます。

 

3~4ヶ月のところもあるし、JALやANAのような大手だと公式ホームページにも書いてあるように1年~2年くらいありますね。

その昔バブル崩壊だとか不況になったときは3年以上、地上業務をされた先輩方もいらっしゃるようです。

会社によっては地上業務期間がないところもあります。

 

プロサッカー選手はクラブが決まったら「選手」として働きますよね、

パイロットもスペシャリストなので入社してすぐにパイロットとして働いてもらった方が会社は儲かります。

ただしこれはパイロットの数が足りていない場合です。

数が足りていたり、一度に訓練できる数は決まっているので候補生の数がたくさんいる場合は地上業務をしてもらうのが会社の中では合理的となるようですね。

 

それにしてもけっこう期間には差があると思いませんか!?

 

ちなみに地上業務中のパイロット候補生は「パイ訓」とか「P訓」と呼ばれます。

 

配属される部署はバラバラ!

同期で入社してもパイロット候補生達が配属される部署はバラバラです。

有名なのは空港での旅客サービスの仕事ですかね。

ドラマ「ミス・パイロット」では堀北真希や相武紗季が空港の地上係員として奮闘していました。

羽田空港だけでなくあらゆる空港でパイロット候補生は働いています。

 

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その他にも様々なバックオフィス業務がエアラインにはあります。

パイロットやCAの勤務スケジュール管理を始めとした現場で働く人の支援部署もあれば、

運航管理者(ディスパッチャー)といって天気やお客様の人数、貨物の搭載、燃料など総合的に加味してフライトプランを作成する部署

(これは「ミス・パイロット」だと相武紗季がこの仕事をしていましたね)

 

貨物の管理をする部署や、空港全体のオペレーションを支える部署、営業の部署もありますし、採用担当の部署に配属されることもありますね。

卒業生が採用チームとして春に会社説明会にやってきたって経験のあるパイロットの卵達も中にはいるんじゃないですか?

 

その他にも整備士のサポート業務や、訓練のサポートをしたり様々ですね。

 

入社する会社によって場所も業務内容も変わりますが、パイロット候補生同士でお互いの仕事の話をすることで自然とエアラインの理解が深まります、たぶん笑

 

というのも本当に色々な人が色々な仕事をして成り立つのがエアラインなので、その仕事それぞれを全て理解するのは難儀です。

本当に参入障壁が高いし、イチから新規で参入するのは相当難しい業界だと感じます。

(そういう意味ではスカイマークは稀有な会社だと思います。)

 

パイロット候補生達が配属発表された時の会話

「おれ旅客サービスの部署だった!」

「わたし☓☓だったんだけど...」

「それって何をする部署なの!?」

「わからない...とにかく気合で頑張る」

 

これから航空会社に入社して地上業務を始める人へ

4月ですしね。配属された頃ではないでしょうか。

 

挨拶が大事とかそんなことは耳にタコだと思うので書きません笑

 

ただメールの書き方は部署の先輩にしっかり教わっておきましょう。

これと飲み会の幹事がちゃんと出来ていれば社会人の1年目にしてはかなり仕事でも信頼してもらえるポジションにつけるでしょう笑

 

だいたい日系のホワイトな企業って社内メールが、日本語が理解しやすくてマナーの抑えられたものであれば仕事がかなり進みます。

対人でのコミュニケーションはもちろん大事ですがメールでのやり取りを丁寧にしておくことでいざ対面した時にスムーズに仕事ができます。

ほんとです。

 

しかし文章って難しいんですよね。私もブログを書いていて難しさを感じています。

 

パイロット候補生の恋愛どうなの?

気になる方々、おまたせいたしました。

会社や配属される部署、その期間にもよりますが、パイロットは地上業務の時に出会った人と結婚というのは良くあるパターンですね。

 

そういう人は

「地上業務の時に捕まってしまってね...」と遠い目をされますかね笑

 

旅客サービスに配属された男のパイロット訓練生はだいたいモテるんじゃないですかね。それはでもまあ女性の方が人数が多いというのと、一緒に仕事をする中でお互いの性格とかがわかるってのが大きいと思います。

くれぐれも男だからといってモテるわけではないのでまだ訓練中のあなたはしっかり人間性を磨くことを怠らないでください笑

 

その他の部署ではまた違った環境ですが、私が地上業務をしていた時は、パイロット候補生達の中で総合職の女性も人気でしたね。

CAさんとは地上業務では意外に接点がないですかね笑 

CAさんのいる部署に配属されれば別ですが。

 

女性のパイロット候補生はどこでも老若男女からモテモテだと思いますよ笑

 

パイロット訓練生を恋愛で落とすには(その1)

基本的にパイロットの仕事は勉強量も多いし、ずっと勉強し続けるしでなんだかんだ真面目な人が多いんじゃないですかね。

 

そんなことないでしょ!!と憤りを覚える方々もいらっしゃるかもしれませんが、あなたの前では不真面目だっただけかも....

 

男性だろうと女性だろうとパイロット候補生を落としてみたいそこのあなた。

コツは「早く副操縦士昇格の訓練を受けたいと焦れている」ことに理解を示すこと、でどうでしょうか笑

 

特にライセンスを持って入社してきた人たちは、プロライセンスを所持してるわけですから、飛行機の操縦を多少なりとも知っています。

100%早く訓練に入りたいと思っていると思います。

フライトする生活が普通だったのにフライトしなくなってる状態ですからね。

しかもここまで来るのに相当な年数を捧げてきてるんですから。

 

でも地上の業務もがんばります。

しっかり地上業務でも結果を出していたら、心の底は早く訓練に入ってジェットを飛ばしてみたいと思っていることに理解を示してあげてください。

 

このパイロット候補生を落とす方法はシリーズ化しますかね笑 

 

まとめ

パイロット候補生「パイ訓」や「P訓」はエアラインの様々な部署で仕事をしている。

期間はバラツキがある。

パイロット候補生を落としてみよう。

 

 

それでは素敵な恋愛を!

 

 

 

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やってますので良かったら交流してください!

 

 おしまい。

 

エピソード13:自費でパイロットのライセンスを取得し、日本でエアラインパイロットとして就職する道とは。私立の操縦学科や航空大学校と何が違うのか。その3

こんにちはトロポです。

 

 

前回の続きです。自費でのパイロットライセンス取得を目指すのなら覚悟してください。Q&Aつきです。

 

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いったい航空大学校や私立大学と自費は同じライセンスを取るはずなのに何が違うのか?

私も学生の頃はそう思っていましたが、今はその違いが良くわかってきました。

航空大と私立大学もそれぞれ全然違うし、なんなら私立大学の中でもどの大学に入るかでマインドや考え方が全然違うと思います。

 

ここではどこが良い悪いとかそんなのは書いても無駄なので書きません。

 

恵まれた訓練環境の航空大でも、Failしてしまってライセンス自体も取れない人だっています。

 

安定した財閥系商社をやめて、覚悟を持って自費でパイロットの訓練受けてた人も知ってます。

 

自費で取る方々の人間性が他より劣るなんて微塵も思いません。

 

ただパイロットの世界における優秀さは一般社会や企業の中のものとはちょっと違うと思うんです。

 

同じライセンスを取るとはいえ、それまでに学ぶことは出身ソースそしてその人自身の人間性で大きく変わります。

 

とにかく1つの事実としてエアラインパイロットになりたいならば、自社養成、航空大、私立大(転入も可)に行くという選択を取った方が就職が現実的です。

 

 

もう航空大や自社養成が全滅して26才、エアラインパイロットになりたい。どう思う?

私立大学パイロットコースへの転入をすすめます。理由は上記までのブログの内容の通りだからです。

たか機長と同意見です。

 

19才、一般大学に来たけど大学を辞めて自費で訓練を受けて早くエアラインパイロットになりたい。

航空大学校を受験するか私立大学のパイロットコースへの転入をすすめます。

航空大学校は大学2年でチャレンジできます。ミニマムの年齢で入学できれば私立大学卒業と同じ若さでエアラインに入れます。就職先も広いです。

 

自費でライセンスを取る以外選択肢ないという方へ、どこで訓練を受けるべきか

朝日航空か本田航空をオススメします。

理由に関してはそらとぶみかんさんがツイートされた通りです。

 

どこで訓練するのかは非常に大事です。パイロットの不祥事は全国的なニュースになります。「何をしでかすかわからない人」を採用するのはリスクがあります。

朝日航空や本田航空以外からも就職している人もいるとは思いますが、きちんと教育を受けているという証明はあるにこしたことはありません。

 

自費組の友人を見てきて思うこと

エアラインパイロットになるには当たり前ですがエアラインに選ばれる必要があります。ライセンスさえ取ればと安易に考えるのではなく、自費取得は覚悟が必要です。そもそも日本でエアラインパイロットという仕事で働きたい人はたくさんいるし、

どれだけ自分が「誰よりも努力してきた」、「優秀だ」、「プロペラ機で教官もしてきた」、「ハワイの使用事業でプロとしてたくさんのお客様を遊覧飛行で笑顔にしてきた」

と思っても日本の就活のルールがこのブログで書いた通りなので、エアラインに就職できるときはできるしできないときは本当にできない。

です。2015~くらいからはたまたま景気が良くて自費組からの就職もたくさん聞きますが、いつまでこれが続くかは何ともいえません。

 

今はパイロット不足とは言われているものの自費組は茨の道です。

このブログを読んで不快に思われた方もいらっしゃると思いますがなるべく事実だけを書いたつもりです。

このブログを読んでやっぱりパイロットは諦めようと思われる方もいらっしゃるかもしれません。それはそれで懸命な判断と言えると思います。この逆境や条件で諦めたくなるならやめた方が良いと思います。

煽っているわけではありません、サンクコストバイアスがかかります、ここまで自分はたどり着いた、時間も金もかけたんだから絶対エアラインパイロットになる!

そこにPLAN Bを用意していますでしょうか?何歳まではエアラインへの就職にチャレンジするのか、諦めるとしてその後の人生をどう生きるか。決めていますか?

私の知り合いも一時期メンタル、追い込まれていました。

強い気持ちと覚悟が必要に思います。覚悟とはライセンスをとってもエアラインには入れないかもしれないがそうなったらもう仕方ない、と思える覚悟です。

 

偉そうに書きましたが、それでもエアラインを目指されるのであれば全力で応援させて頂きます。

若ければ若い方がいいです。

それにLCCなどはこれからまだ機体数が増える=必要なパイロットの数も増えるので今年いますぐだとか来年すぐ訓練に入るというのであれば2年して必要なライセンスを揃えて就職活動をする頃はまだ採用がたくさんありそうなので大大大チャンスではあります。

 

まとめ

自費で取る前に私立に転入できないか検討してみてください。

自費という道を選ぶなら朝日航空や本田航空をまずは考えてみてください。

 

記事に関してツイッターされてる方はぜひリツイートをお願いします。

リツイートして頂ければどういう情報を求めてこの記事を人が見ているのか、私の中で情報が集まります。

そうなれば私が自分のつてで色々なエアライン関係者に実情を聞いて、その結果を記事にまとめることができるので皆さんに有益な情報をもっともっと送ることができます。

 

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 おしまい。

 

エピソード12:自費でパイロットのライセンスを取得し、日本でエアラインパイロットとして就職する道とは。私立の操縦学科や航空大学校と何が違うのか。その2

こんにちはトロポです。

 

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前回の続きです。今回は就職についても触れますがシビアです。

 

 

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自費で民間訓練所でライセンスを取得した後の就職先について

まず断っておきますが私の中の口コミ情報は、朝日航空と本田航空です。

しかしどこの訓練所だろうと自費でのライセンス取得者の大手への就職は聞いたことがありません。

 

それ以外の会社は年間10人採用するかしないくらいなはずです。

LCCに関しては数10人採用する会社もあります。

最近とうとうジェット経験者ばかり採用していた、ジェットスターにジェット経験なしでも採用されたと聞きました。

 

言い方を変えます。

 

これから機材数が多くなる会社(=LCC)の方が採用される数自体は多いです。

でもそれは航空大+私立大の数よりは少ないでしょう。

 

日本国内某社は2の採用枠にライセンサーの応募が100以上だったそうです。 

パイロット不足ほんと?というのがリアルなところのようです。

だんだんダークになってきました。

 

結局、どのソースだろうと就職するのは高倍率になるということです。

 

航空大学校の就職率が良くならないと、自費組も就職できない???

なんのことを言っているのかよくわからないかもしれません。

なぜ航空大学校がここで出てくるのか?と。

 

説明します。

 

大手と大手のグループ会社の一部には航空大学校専用の採用試験、私立大学専用の採用試験があります。

別に秘密でも何でもありません。どこに聞いてもそう教えてくれます。

 

さて航空大学校の就職率が悪いとどうなるか?

つまりはエアラインが採用を絞っていると同義です。

 

例年であれば大手やそのグループ会社に採用されていたであろう人たちが、それ以外の他の会社を受けパイロット訓練生として入社していきます。

 

エアラインが採用を絞っているのに加え、大手以外の他の会社も学生を必要数採用できたので採用は終了です。

 

自費組の採用は限りなく少なくなります。

つい5~6年前はこれが普通でした。

 

逆に就職状況が良くなると、航空大学校と私立大学校組があらかた就職してパイロット候補の学生が市場からいなくなります、その後、自費でライセンスを取得した人を採用するという流れになります。

 

昔自費ライセンス取得を目指していた友人に言われました。

「航大の就職が良くなってくれれば、俺たちもエアラインに入れる確率が上がるから訓練頑張って!」と

 

もしかしたら胸に複雑な物を抱えての一言だったのかもしれませんが、応援の言葉をくれる同世代の彼を前に自分の訓練環境での不満だなんて絶対言えないと感じました。

 

そんな一言を言ってくれる彼だからか、それともこの空前の好景気だからか彼もエアラインへの就職を決めました。

 

訓練のこと、審査のこと、別々のソース同士で連絡を取り合うことで環境の違いとか逆に自分の状況で恵まれている点が浮き彫りになってくるので、そこを活かして訓練を頑張ろうと思えます。

皆さんもぜひ同じソースの人間だけでなくて別のソースの人とも交流を持ってみてください。

エアラインに入ってからも楽しいと思います笑

 

パイロットの楽しさや悩みを共感できるのは、やっぱりパイロットだけですから。

 

同じ場所、同じ教官、同じカリキュラムで育ったけど

私立大学パイロットコースで海外に訓練にいきました。

すると日本人で「自費で」同じ訓練施設に入所してきた人がいました。

 

同時期に訓練を始めて、同じ外国人教官の元、同じカリキュラムを受け、時々オーラルの勉強なんかも一緒にやったりして。

 

私立大組は帰国してすぐ就職活動となり私立大学の採用枠で会社が決まりました。そのまま卒業と同時に翌年入社です。

「自費」の人は帰国して民間訓練所に入りJCABの書き換えを目指します。翌年就職活動開始です。就職が決まるかはわかりません。

 

こういうの普通にあります。

 

 同じ環境で同じライセンスを取っても、就職先の幅や就職できる数はぜんぜん違います。

(正確に同じ環境というのは語弊があるかもしれません、私立は集団で切磋琢磨させてという要因があるので、航空大学校にいたっては寮生活ですし)

まとめ

就職先多くはないが今は採用がある。

ただ日本のエアラインには日本のエアラインのルールがあります。

これから自費で訓練を考えられる皆さんは絶対一度は実際に自費で訓練をされている方の話を聞いておいたほうが良いと思います。

次回は自費と他のソースとは何が違うのか、そして簡単なQ&Aを書きます。 

 

 

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リツイートして頂ければどういう情報を求めてこの記事を人が見ているのか、私の中で情報が集まります。

そうなれば私が自分のつてで色々なエアライン関係者に実情を聞いて、その結果を記事にまとめることができるので皆さんに有益な情報をもっともっと送ることができます。

 

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 おしまい。

 

エピソード11:自費でパイロットのライセンスを取得し、日本でエアラインパイロットとして就職する道とは。私立の操縦学科や航空大学校と何が違うのか。その1

こんにちはトロポです。

 

 

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前回は私立大学のパイロットコースの比較を行いました。会社にはこだわらない。お金も何とかする。エアラインパイロットになりたいという人には良い選択肢だという記事でした。

 

在学生の方、指摘したいことがありましたらツイッターやこのブログのコメント欄(私が承認するまでは一般公開されないので、公開されたくない方は匿名希望ですと書いてください)

にぜひ意見を寄せてくださいね。

信頼できる記事にしていきたいと思っています。

 

 

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自費ライセンス取得とは??

文字通り自分でお金を出して訓練所で訓練を受けることですが、エアライン界隈では自費でのライセンス取得とは、航空大学校や私立大学のパイロットコース(東海、法政、桜美林、崇城、千葉科学、工学院)、自衛隊以外での養成所を選択して実費で訓練を受けることを指します。

 

自費ライセンス取得の世界には日本の訓練所で訓練する世界もあれば、海外のフライトスクールで訓練をする世界もあります。

 

いずれにせよ必要なライセンスを揃えて、エアラインパイロットの募集に応募して合格すればパイロット候補生として入社です。

 

海外の訓練や就職事情はLuke Szkさんやたーかさんなどをフォローすると理解が深まるかと思います。

 

日本で自費でライセンスを取得できるのはどこ??

民間訓練会社と呼ばれる場所ですね

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国内の民間訓練会社の例(2013年の国の資料)

国の資料に載るこの4つがメジャーな会社ですかね。

本田航空、朝日航空、中日本航空、大阪航空

 

私の周りで自費取得→エアラインパイロットになった人は、朝日航空や本田航空が多いので私が聞いている口コミは基本その2つの会社からのものだと思ってください笑

 

日本でパイロットになりたいのなら海外のライセンスを持っていたとしても日本のライセンスを取得しなければならない。

これは国が定めていることですし、航空会社の募集要項もJCABのライセンス(=日本のパイロットライセンス)を所持していることが確実に要項に盛り込まれているので自費組で日本のエアラインに就職希望の方は必ずここをクリアする必要があります。

 

どのライセンスも学科か実技、その両方の試験をパスしなくてはなりません。 

ライセンスの説明はエピソード3で解説しています。

 

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そしてここにも色々とほんと色々とあるんですよね。

話を聞くたびに驚きます。

 

PPLは学科試験に合格するだけでアメリカ→日本のライセンスに書き換えられるがそれ以外は実技試験にも合格しなくてはならない。

PPL(自家用操縦士) のライセンスをアメリカから日本(=FAA→JCAB)のライセンスに書き換えるのには学科試験をパスするだけで可能です。

しかも5科目ある内の航空法規その1科目のみの合格で大丈夫です。

 

しかしそれ以外のライセンス全て、例えばCPL(事業用操縦士)は学科試験だけでなく実技試験にも合格しなくてはなりません。

実技試験がある理由としてはアメリカと日本ではフライトの環境が違うからというところみたいですね。

空域は狭いし、狭い中にVERとIFRがうじゃうじゃしてたり、ATCはフレーズがきっちり決まってるし、山、川、湖、住宅密集による複雑な気象条件などなど、ティアドロップのアプローチとかもアメリカではあまりやらないんじゃないでしょうか?

 

 

まだパイロットの世界に飛び込む前の方は、日本で訓練すれば面倒くさいことしなくていいじゃんと思うかもしれませんが、そこにはお金の話が絡んでくるのです。

 

海外での訓練は日本で行うのに比べて圧倒的に安価なので、海外で訓練して日本で書き換えての方が日本でイチからより訓練費が抑えられます。

数100万単位で変わります。

 

朝日航空も事業所は八尾ですが、初期訓練は海外で行ってますしね。

 

さてライセンスの書き換えですがお金の話が続きます笑

 

日本で書き換えの試験を受けるまでの訓練費用ですが、私の友人で朝日航空で訓練していた人は計器飛行証明の書き換えに500万くらいかかったとかなんとか言ってました。

事業用の書き換えも合わせるともっと投資してます。

ちなみに彼は朝日航空→大阪ベースの航空会社に就職できました。(本人の匿名を守るため会社は伏せます)

 

バロンなどの双発機で1~2時間訓練したらあれ?じゅう...数万飛んだ....

 

そんな世界です。

燃費、施設利用費、コーチ代、機体のレンタル代、諸々かかりますから。

 

訓練費用は訓練会社によってバラツキがありますが、結局私立大学にしても自費訓練にしても1000~2000万の投資は覚悟が必要ということです。

 

記事が長くなったのでその2に続きます。就職についても。

 

まとめ

自費ライセンス取得とはエアライン界隈では実費で民間訓練所で訓練を受けることを指す、1000~2000万の投資のイメージが必要。

日本のエアラインパイロットになるには日本のライセンスが必要。

 

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そうなれば私が自分のつてで色々なエアライン関係者に実情を聞いて、その結果を記事にまとめることができるので皆さんに有益な情報をもっともっと送ることができます。

 

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 おしまい。

 

 

エピソード10:エアラインパイロットになるのに最短の道は私立大学で意見が一致すると思うので、その費用と就職先を比較してみる。[メリット/デメリット]

こんにちはトロポです。

 

エピソード4で日本は世界的に見てかなり早くジェット旅客機を操縦できるということを書きました。

 

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そして今の日本のパイロットリクルートシステムの中で最短で(=若くして)、

エアラインパイロットになれるのは、私立大学のパイロットコースであるということはどのソースの人も同じ意見だと思います。

最短23才でFO、副操縦士、コーパイロット呼び方は何でも良いですがとりあえず早い人はその年で空を飛び始めます。

 

 

今回はその私立大学のパイロットコースを徹底的に比較します。

 

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パイロット養成コースのある私立大学は全部で7つ。(うち1つはヘリパイのみ)

1.東海大学

2.法政大学

3.桜美林大学

4.崇城大学

5.千葉科学大学

6.工学院大学(2019.4.から笑)

7.帝京大学(ヘリパイロットコースのみ)

 

今回はエアラインパイロットの考察なので帝京大学は省いていきます。

 

費用の比較

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私立大学の操縦士養成コースの概要(2013)

2019年4月から工学院大学もパイロット養成コースを開設するらしいです。

公式サイトによると、JCABのCPLとIRを取得するのに訓練費と学費4年分合わせて約2200万円。

その話を聞いてこのブログをまとめようと思ったんですよね笑

 

資料は2013年ので少し古いですが桜美林以外は今もこんなもんじゃないですか?

桜美林は確か2500万近く必要だったはずです。在学生の方、訂正があれば教えてくださいね。

 

いずれにしても1500万~2500万くらいの訓練費と学費がかかるわけですね。

ここに生活費もかかってくるので一般的な私立大学と比較してもかなり高額な投資になります。

 

就職先の比較

たぶん皆さん一番気になってるところじゃないですかね。

ざっくり2014~2018年くらいにかけては就職率、かなり良かったです。

就職できる会社も大きく差はありません。

ただしANAとJALに関しては話が違ってきます。

 

東海大学はJALにいけません。その代わりANAに就職できる人数は他の私立大学よりもかなり多いです。

2019年4月現在、大手エアライン両方への道があるのは、法政、桜美林、崇城の3つです。

 

ここらへんのあまり大きく声に出して言えない話は、もう少しこのブログが広まったらクローズドな空間で情報を伝えたいと思っています。

 

ともかく大手への就職にチャレンジしたいのなら、東海、法政、桜美林、崇城から選ぶのがベターだと思います。

(他の私立大学も将来的に大手へ行ける可能性はあります。いつそれが実現するかは誰も約束はできません)

 

メリット/デメリット

まずはデメリット、パイロットの道に固定、高額な費用

大手航空会社に行ける人は少ないです。ただ東海からANAはそこそこ行きます。

もし私立大学のパイロット養成コースに入って、訓練を受けてみてやっぱり自分には向いていないとなった場合はその分の高額な費用や時間が無駄になってしまいます。

訓練に費やしていた時間は、他のことにチャレンジできたはずの時間でした。

機会損失です。

 

また、ライセンスは全てなんとか取得したものの、エアラインに就職できなかった場合は他の職を探すか起業するかですよね。

起業できるのは特殊なのでここでは置いておき、例えばじゃあ三菱商事に就職したいと思っても実質無理です。

(それを成し遂げたなら、大学の伝説になれると思います笑 その時はお祝いさせてください笑)

 

航空系以外の日系外資系大手に行こうと思うなら、さらにまたパイロットの世界とは違うルールの競争が待っています。

面接では

「なぜ大学でライセンス取ったのに、エアラインに行かないんですか?」

こう聞かれます。

面接官を納得させる話がそこでできるでしょうか。

自分次第ですが。。

それからそれなりの有名な企業では学歴フィルターで落とされてしまう可能性もあります。

 

メリット

最速でエアラインパイロットになれることです。

この仕事はわたし自身いい仕事だなと思えますし笑

会社は関係ない!エアラインパイロットになりたい!って人には私大は夢実現の可能性がかなり高いです。

大学によっては海外のエアラインパイロットの卵と友達になれます。 

 

経済的にも、例えば自社養成よりも2~3年は早く(院卒と比べると4~5年早く)パイロットになれます。

つまり人生でキャプテンとしてフライトできる期間が2~5年長くなります。

2年だと微妙ですが、5年分の給料の差はだいたいの日本の航空会社であれば高額な私立の訓練費を帳消しにできると思います。

大手なら確実にペイするでしょう。

 

 周りの私立大学パイロットコース卒のエアラインパイロットからの口コミ

  • なんだかんだ実家が太い子が多い←
  • 訓練は楽しかった(航空大学校組、涙を拭いてください)
  • 奨学金借りて、会社に入ってから返す人は返済に10年近くかけることも
  • 一般大から転入してきて、大手に就職できた人もいる

 

まとめ

大手に関係なく、パイロットに絶対なりたい、お金は大丈夫!なんとかする/なんとかなる、という人なら大いに私立大学ありじゃないかなと思いました。

それから自費でライセンスか私大に転入で迷っているなら、今は私大の方が良いと思います。就職実績が違いますから。

 

実際お金の問題は大きいですよね、私自身も私立のパイロットコースを受けなかったのはお金が大きかったので。

 

お金やリスクの問題を飲み込むのに結局大事なのは

「パイロットになりたい」という内から湧く強いモチベーションです。ね!

 

皆さんのGood Decisionの参考になりますことを!! 

 

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 おしまい。

 

 

 

エピソード9:[現役エアラインパイロットが解説する] 国が疲労対策、新基準制定でパイロットの働き方改革が進む。

こんにちはトロポです。

 

 

今回は現役エアラインパイロットが解説するパイロットの働き方改革です。

 

 

www.asahi.com

 

このニュース「国が疲労対策として新基準を設定」したというものです。

「勤務時間インターバル」

これが設定されたのが今回は大きいですね。

難しいことは色々省略して解説しますね。

 

パイロット激動の時代の昨今ですが社会からの注目が集まるほど、

どんどんホワイト化していくのだな....と感じています。

 

疲労管理というシステムが重要視されるようになったのはアメリカのコルガン・エア墜落事故があったから

人が労働者として働く上で、その命を守り人間らしい生活ができるようにするために労働基準法というものがあって普段は皆その法に守られながら働いています。

今回のニュースでは、そこにさらに上乗せして パイロットの疲労管理というシステムが導入されたという話です。

 

そしてこの疲労管理システムが重要視されるようになったのは

コルガン・エア墜落事故が起きたからです。

 

事故概要

  • 2009年2月12日 コルガン・エア(コンチネンタル航空とコードシェア運航、DHC8-400)3407便
  • バッファロー・ナイアガラ国際空港にILSアプローチ中、突然機首が上がり失速。空港手前10kmのバッファロー郊外の住宅地に墜落。
  • 乗客乗員全員(49名)死亡したほか、墜落現場となった民家で住人
    が1名死亡、2名が負傷。
  • 国家運輸安全委員会は、失速警報の設定ミス及び失速時の対処ミスが直接の原因としたが、その背景には、CVR(コックピットボイスレコーダー)に何度もあくびをするのが記録されているほか、乗務前にソファで仮眠するなど十分に睡眠が確保できていなかったことから、疲労が関与した可能性が指摘された

 

アメリカの国家安全運輸委員会の指摘

疲労が要因の可能性となる航空事故が世界的にそれまでにもいくつか起こっており。米国の国家運輸安全員会は、米国の全公共交通における事故・重大インシデントのうち約20%に疲労が影響した可能性を指摘しました。

 

車やバスや電車に飛行機...事故の20%は疲労が影響したと国のトップが言ったんですよ!?

アメリカは国をあげて動き出しました。

 

疲労ってそもそも何?

操縦士の疲労の定義(ICAO Doc9966)

疲労とは、航空機の安全運航に係る業務を遂行するにあたり航空機乗組員の注意力や能力の低下を招く、睡眠不足、長時間の覚醒、サ-カディアン周期(生体リズム)又はワークロード(精神的又は肉体的な活動)に起因して、精神的又は身体的なパフォーマンスが低下した生理学的状態をいう。

 

簡単に言うと

注意力や能力が下がっている状態!

 

じゃあ疲労管理ってどうしたらいいの?→睡眠管理

米国宇宙航空医学学会によれば

 

疲労(脳の疲労)を回復させるものは、睡眠であり、

疲労リスク管理とは、睡眠管理

 

と示されているのです。

この考え方を基にパイロットが必要な睡眠が取れるよう基準を作ったのです。

 

欧米ともに「8時間の睡眠」の確保を前提としています。

だから8時間寝るには10時間は最低でもインターバルいるよねーっということで今回、勤務時間インターバルは10時間以上という基準が設定されたのです。

 

最低8時間は眠ること、これがワールドスタンダードです。

 

 

グローバル化×パイロット不足が予想される航空業界ではしっかりした世界標準にならった疲労管理体制が担保されていないと

 

  • パイロット不足で現役パイロットが超激務で疲労し、危険なインシデントが起こる。
  • いざ世界からパイロットに転職してきてもらおうと思っても、毎月のフライトスケジュールが過酷だと「そんな会社で働きたくない」と断られる。

そうなると回り回って不利益を被るのは航空会社を使うお客様、になっちゃうんですよね。

ちなみにバス業界ではインターバル8時間が基準でそれでは足りないと問題になっていますね。

軽井沢のバス事故(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%BD%E4%BA%95%E6%B2%A2%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%B9%E8%BB%A2%E8%90%BD%E4%BA%8B%E6%95%85#%E5%BE%93%E6%A5%AD%E5%93%A1%E3%81%AE%E5%81%A5%E5%BA%B7%E7%AE%A1%E7%90%86%E3%81%A8%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%92%B0%E5%A2%83)

も疲労管理体制が整っていなかったのが一因と言われています。

 

パイロットの世界はどんどんホワイト化していって制度が整ってと、時代の流れを感じる日々です。

 

 

実際パイロットとして飛んでいて感じる疲労は?

地上業務と比べると種類の違う疲労感がありますね。

パイロットの中でも会社にそして機種によって全然働き方とか勤務スケジュールとかフライト先が違うから疲労の感じ方は人それぞれですけど

 

国内線ならやっぱり1日で4回とか離着陸するとフライト後、ベッドにダイブして「ふー」ってなりますね笑

 

長距離国際線は本当に人によって差があります、時差とか深夜とかもフライトがあるので。

 

私はまだ若手なのでがっつり寝れば全快します。

 

ところでフライト前日のなかなか寝付けない時間は、パイロットの皆さんはみんな嫌いなんじゃないですか?笑

 

注意!

プロなのでオフの日からそれなりにフライトに良い状態で臨めるよう色々やってますので安心してくださいね。

 

パイロット、実は健康オタクの割合が超超超高いです。

 

地上業務との疲労の違いは?

地上職といっても何をやるかによるんですが.....

でもやっぱり時差/勤務時間/気圧/日光/座る時間が長い、だとか

 

常にATCを聞いて周りの情報をインプットしながらフライトもしてと、情報にずーっと浸かっててそれを更新し続けている。

離着陸の時に神経を研ぎ澄ましている。

 

そして何よりも

「意思決定」をし続けている。

 

連続したDecision Makingってもの凄いエネルギーを使うんですよ。

溢れだす情報を取捨選択して、次はこれするこう対処するその連続性やその密度はなかなか他の職種では再現できないんじゃないですかね。

 

飛行機って止まれないんですよね。

 

 

まとめ

パイロットの疲労管理の基準はグローバル化、パイロット不足の中、設定されるのは安全を守っていくためには当然の流れだった!

 

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リツイートして頂ければどういう情報を求めてこの記事を人が見ているのか、私の中で情報が集まります。

そうなれば私が自分のつてで色々なエアライン関係者に実情を聞いて、その結果を記事にまとめることができるので皆さんに有益な情報をもっともっと送ることができます。

 

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 おしまい。

 

エピソード8:貯金のできる人とできない人の差は缶コーヒーにある?! ファイナンシャルプランナーとパイロットが同じ意見だった貯金の仕方。

こんにちはトロポです。

 

 

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前回に続き

マネーリテラシーシリーズ。

今回は貯金です。

ファイナンシャルプランナーとパイロットが議論した結論を共有しますね。

缶コーヒーを買わない、コンビニでなんとなく買わない。

 

これだけで貯金ができるようになります。資産形成への第一歩です。

 

 

貯金が全くできてない人が6%増えて、貯金できてる人も金額が下がっている!?

 

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貯蓄額の比較[2018→2019]

SMBCコンシューマーファイナンスの「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019」(http://www.smbc-cf.com/news/datas/chousa_190306.pdf)によれば

 

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全回答者(1,000名)に、現時点で、どのくらいの貯蓄ができているか聞いたところ、「0万円(貯蓄ができていない)」が23.1%となったほか、「1万円~50万円以下」(24.6%)にも回答が集まり、100万円以下までの合計は60.5%となりました。貯蓄額が100万円以下という人が多数派のようです。他方、「500万円超~1千万円以下」(8.0%)や「1千万円超」(9.8%)との回答もそれぞれ1割程度みられ、貯蓄額の調整平均(※3)は195万円となりました。

昨年(2018年)の調査結果と比較すると、貯蓄ができていない人(「0万円」)の割合は、2018年17.1%→2019年23.1%と、6.0ポイントの増加となりました。また、貯蓄額の調整平均は2018年247万円→2019年195万円と、52万円減少しています。貯蓄ができていない人が増え、貯蓄額が減っていることから考えると、30代・40代では貯蓄にあてるぶんのお金を消費にまわしたという人が増えたのではないでしょうか。
調整平均額の変化を年代別にみると、30代では2018年198万円→2019年194万円と大きな変化はみられなかったのに対し、40代では2018年316万円→2019年196万円と、120万円の減少となりました。

※3:当該設問では、上位数%のデータにみられた極端な値(貯蓄額が数千万円・数億円など)の影響を除外するため、10%調整平均(上位と下位からそれぞれ10%のデータを除外して算出した相加平均)を利用しています。

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要は

2018年→2019年にかけて全く貯金できていない人が増えた!ってことですね。

 

貯金額も減ってるけど、それはネガティブな要素とは言えない

40代の貯金額の平均が120万円も減少していますがそれは悲観しなくても良いですね。

30代、40代は資産性のある住宅を購入していたり、株や貯蓄型保険など金融資産を購入していたりが考えられるので

現金→現金以外の資産にカタチを変えただけ

と考えられます。

 

資産も特になく、かといって特に無駄遣いしていないのに貯金できていない人へ

貯金してるけどもっと貯めていきたい人も

少しだけ生活を見直しましょう。

具体的には缶コーヒーとコンビニです!!

 

先日ファイナンシャルプランナーの方とも話しました。

お金を貯めるコツは「使途不明金」をなくすことだと、要は何に使ったかわからない・覚えていないものにお金を使うことをやめることということです。

 

手元に残るモノは自分がどのくらいお金を使ったかのか見るたびに思い出させてくれる

車や洋服、靴やバッグ、時計やアクセサリー、化粧品、家具やガジェット、など

購入したものが手元に残るようなモノは金銭の消費を連想させるので、

上記関連の出費が多い人は自分がなぜだかお金が貯まらないという状態にはなりません。

「あれにお金使ってるしな。今月は節約を心がけよう」

 

こうして自分で自分のお金の流れをコントロールできている場合が多いのです。

 

その場で消えてなくなるモノは、お金を使ったことも覚えていない

自動販売機やコンビニでのちょこちょこ買い、飲み代や外食費用、ATMの手数料

その場で消えてなくなるモノがほとんどで、出費後の記憶に残っていないことがほとんどです。

しかも1つ1つの消費は、100円、200円の世界です。この1回をケチってもしょうがないと考えてしまいがちです。

下記の図によれば仕事帰りに寄り道する男性の6割はコンビニに寄っています。

 

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男性の半分以上は、帰宅前にフラッと寄り道するフラリーマン

 

実際、私もパイロットとして働いていてステイ先などではついついコンビニで買い物をしてしまいます。

(セブンイレブンの食べ物とか美味しんですよね)

 

こうして飲み物1つを買おうと思ってコンビニに寄るとつい、あれもこれもと買ってしまいます。

このあれもこれもで例えばリアルなところで800円使ったとしましょう。

 

1ヶ月に10回こういうコンビニでの買い物をすれば8000円使っているわけです。

そしてそれは記憶に残らないんですよね。

1度で8000円の買い物をすれば覚えているんですが、分散していると覚えていないものです。

 

缶コーヒーや缶ジュースをやめれば年に9万5千円貯金が増える!?!?!?

記憶に残らない、使途不明金。

誰もが無意識に使っていて、意外に貯金の障害になっているものそれは

缶コーヒー/缶ジュースです。

 

朝、出社や通学で1本 120円

昼、食事と一緒に1本120円

夜、残業や部活後に1本120円

 

これで1日360円、月に22日働いたり学校に通っていたとすると

360×22=7920円

 

1年間で

7920×12=95000円

 

缶コーヒーなんてもうなんの罪悪感もなく購入している人も多いのではないでしょうか。

9万5千円あれば近場の海外旅行2泊3日いけちゃいますよね。

 

貯金がたまらないという人、コーヒーやジュース代を確認してみてください。

 

貯金ができるかどうかは収入に関係がない

貯蓄額というのは実は収入の多い少ないに関係がないのです。

年収が高い人でも全く貯蓄をすることができない人もいれば、

年収が高くなくても堅実に貯蓄を重ねることができる人もたくさんいます。

 

年収が高くなってついついタクシーに乗ったり、フラフラコンビニに入って何となく気分だけで購入したり、激務で忙しく時間外手数料のかかるATMで何度もお金をおろしていたり、飲食にかかるお金を異常にかけたりと、こういう人はたくさんいて結果貯金が全然ないわけですね。

(ただ時間あたりの労働単価が高い人はそういう日々の意志力を使う小さなことへのお金はどんどん使って「自分の時間」を確保するのが大事ですね。ケースバイケース。)

 

まとめ

記憶に残らないモノへのお金の使い方を見直そう!

缶コーヒー/缶ジュースを控えるだけで年間10万円近くの貯金ができる。

 

 

おしまい。

 

 

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エピソード7:[誰も教えてくれないお金の話]学生や専業主婦の方の投資のちょっとお得な、配当金の税金を取り戻す方法。

こんにちはトロポです。

 

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マネーリテラシーシリーズ始まります。

国際線パイロットに日頃から接していると色々な

「俺の投資術」

を伺うことができます。

日本全国の土地や空気感を感じるパイロットの方々は投資に対してもアンテナをしっかりはっておられる方が多い印象です。

 

 

私もまだまだ勉強中の身ですが、少しづつ皆さんと役に立つお金の話を共有していければと思います。

 

 

所得のない/少ない人が株の配当金を受け取るとき、実は税金を払わなくていいの?!?!

日本の衰退が叫ばれ、将来の不安を感じてる方も多いと思います。

 

資産形成、投資ブーム、副業ブームが起こってますね。

学生や主婦(夫)の方で投資をしている方も増えているのではないでしょうか?

 

そんな本格的に仕事を今はしていないため所得が基礎控除額ほどもないという人へ

 

株の配当所得にかかった税金、取り戻せます!!!

 

この記事はどんな人向け?

  • 昔アルバイトをしていて、その時に貯めたお金で株に投資→売却せずに持ち続けている人
  • 会社員の頃に購入した株券を結婚後の専業主婦(夫)となった今も持ってる人

など。

とにかく、「今」所得がなくて、でも「株」の配当を受けてる人

 

上場株式等の配当金については20.315%の税金がかかる!!

株の配当には

所得税及び復興特別所得税15.315%、

地方税5%

の合わせて20.315%の税金がかかります。

 

例えば日本で一番有名な企業のトヨタ自動車の2019年の配当金は

1株220円でした。

トヨタの株を100株持っていたとして

配当金は

220×100=22000円

1年間で22000円配当を受けたのでかかる税金

22000×20.315×0.01=4469.3円

 

結局手元に残る金額は

22000-4469.3=17530.7円

 

 

年間の配当所得が38万円以下なら税金を取り戻せる!黙ってたら取り戻せない!

税金の仕組みを話すには配当所得に関する税金の話をしなくてはならないのですが、複雑なのでここでは割愛!

とにかく専業主婦(夫)や学生の人など、年間の所得金額がほとんどない人で株持ってる人!

 

年間の配当所得が38万円(基礎控除)以下なら確定申告をすれば税金が帰ってきますよ!

※年間の配当所得は他の所得があればそれも合わせて38万以下であること

 

配当金が支払われる際に取られた(徴収された税金(=源泉徴収税額))は確定申告をすれば還付金として受け取ることができるのです。

 

さきほど計算したトヨタ株の配当22000円でかかった税金、4469円はすべて取り戻せる!

一度は払っているけど、確定申告をすれば取り戻せるのです。

 

年間の配当所得が30万円なら60945円も取り戻せる!!

 

知らない人は取り戻せない、少しの手間で取り戻せるお金がある

 

税金を還付してもらうための確定申告は任意なので、してもしなくてもどちらでも構わない(日本の教育では誰も教えてくれないんですよね)

 

ちょっと時間をとって確定申告をするだけで還付金が支払われるなら...

そして「確定申告の方法」「税金」について勉強できちゃいます。

やらない手はありません。

 

配当所得そのものの金額が控除額よりも大きかったりするような場合は還付対象にならなかったり一部分の還付に留まる可能性がありますので確認してみてください。

 

もっと早く教えてよ昔の取り戻せてたのに....大丈夫!過去5年は取り戻せる!

去年の配当金にかかった税金取り戻せたのかー、と後悔している人!

安心してください。

5年前までなら!大丈夫!

 

具体的には確定申告の必要がない人の還付申告は、還付申告をする年分の翌年1月1日から5年間行うことが可能です。

例えばこれまで(2019年)に申告をしていなかった年があったなーという人の場合、

2014年分については、2015年1月1日~2019年12月31日まで申告することができる、ということになります。

 2014年分はは2019年12月31日までに税務署に行って申告すればいいわけですね。 

 

2014年以降で取り戻せる税金がある人は税務署に行ってみてはいかかでしょうか!?

 

 

まとめ

今稼いでないけど、株を持ってる人は税金を取り戻せる!!

5年前の税金も還付できる!!

税務署に行ってみてはいかがでしょうか。

 

 

おしまい。

 

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エピソード6:「地元」から飛び出せ。大学の進学率は東京は7割もあるが他は5割もない。地元が退屈なすべての人へ。[人の能力はキャラで決まる]

こんにちはトロポです。

 

パイロットを目指し始めたときまずなり方がわからなく途方にくれました。

当時の私自身を振り返って。

情報のない地方から抜け出しエアラインパイロットになるまで、自分自身で力をつけていくには?

 

キャラを自分でコントロールする。

そんなおはなしです。

 

 

 

特に将来やりたいことはないけど。パイロットは面白そうだし、お金もありそうだし、志そう。でも叶え方がわからない。

初めてエアラインパイロットになってみたいと思ったのはまだ中学生くらいの頃でした。

地方の中学生、部活で汗を書いて、なんとなく授業を受けて、家に帰ったら友達と外で遊んだり、スマブラとかキングダムハーツをプレイして遊んだり、習い事のスポーツをしたり。

ゆるく暮らしてました。

 

中学生の進路指導教育でいきなりこう言われるんですよね。

「将来のやりたいことを考えてみようって」

で高校をどうするかです。

高校の違いは地元なのか少し離れた進学校なのか。国公立なのか私立なのか。

 

中学生にもなればなんとなく家庭のお財布事情はわかるので、あんまりお金のかかるところは選択しにくいなーと思うものの

でも将来って何がしたいんだっけ?

 

地元の先輩って何してるのか?あれ地元に成人した人残ってないしわからない。

(地方の田舎の若い人は都会に仕事を求めて出ていくからいない)

親が大学出てるし自分も大学いかなきゃだめなのかな。

 

明くる日、クラスの進路希望調査の結果で大学進学を希望してたのはクラスの3分の1

 

大学進学を希望するのは少数派だった

首都圏では信じられないかもしれませんね、

でも大学の進学率の平均は50%

 

東京の大学進学率は70%を超えているから、

東京出身者で周りの人はほとんど大学進学してるよーというのは肌感覚として正しいです。

 

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2017年の大学進学率[平均は50%程度]

同時に地方の人で大学進学したのは半分いないかな。

というのも肌感覚として正しいです。

 大学進学率は50%を切ってる都道府県の方が多いので。

 

 

地方の普通の学校って勉強頑張るやつはなんとなく「イケてる」とはみなされないですね、スポーツとか音楽とかできる子も地味を演じたりワルぶってみたり。

 

真面目で可愛かった子も、おしゃれとかSNS映えとかアニメ、ゲーム、男女交際は流行るんですけど、他の価値観をあまり獲得しないまま、生活しています。

 

私の学校は小さくてのんびりしてたんで、ヤンキーらしいヤンキーはいませんでした。

だから進学校に進学するべく勉強を頑張ってもまあ少し疎遠になる人がいるくらいで決定的に私を不安定にさせる、居場所が奪われるなどのことはなかったのが今思えば救いでした。

(友達って排他的集団というのが世界の真理ですから。世界はジモティでできている。)

 

パイロットになれる人間の資質とは?

空港の店で親が買ってくれた本にエアラインパイロットのなり方が書いてありました。

経済的に現実的選択肢なのは自社養成パイロットか航空大学校に合格するかの2択でどちらも大学に進学する必要がありました。

私立大学のパイロットコースはあまりに高い費用が必要だと当時は感じましたよ。

 

 

 

エアラインパイロットになるには最低でも大学進学、加えて操縦適正を評価する試験、身体検査の要件もあり、自分がその資質に足るのかとてもじゃないけどわかりませんでした。

 

才能や適正を獲得できるのか、その見通しが全く立たない。

 

できることは「今」、勉強を頑張って大学に行ける高校に進学することです。

それにそこそこの大学に行けばたとえエアラインパイロットになれなくても他の職を選択できる「自由」を手に入れられると思ったのです。

 

古い、ステレオタイプですかね? 

それでもこれは当時の私が中学生なりに一生懸命考えたことです。

 

他人より得意なことでキャラを立てて生き残ろうとする

初めて模試を受けたのが中学ももう後半くらいだった気がします。

衝撃でした。

 

すべてE判定

地元の学校ならまあ、いけるかなくらい。

模試は同じ志望校の人の中で順位漬付けされるのですが、ビリでした笑

 

勉強はクラスでも中の上くらいだし大丈夫かなと思ってたのが、井の中の蛙、大海を知らず。

 

急に自分の将来がつまらなくなりそうという恐怖感に襲われました。

ずっと地元に残るのがひどく退屈な人生に思えました。

好きになれる子も全然いない、ここに一生いるなんて憂鬱すぎる。

 

そこから猛勉強しました。

スポーツの試合前は体動かしてた方が気が楽なのと同じで、勉強してた方が楽でした。

未来に繋がる、蓄積されるものだと感じることができたんですよね。

 

これまで気づかなかったものの勉強することは、得意な方でした。

人は周りよりも得意なことがあると、その力を伸ばすことは苦じゃなくなる生き物です。

 

他人よりも得意なスキルを育てて、それを駆使してキャラを立てるのが人間のようです。

 

だってそう

得意でないことをどれほど頑張っても目立てないから

 

自分らしさって友達の中から作られるんですよね。

 

 

どの友達集団に入るかで、キャラは決まる。

 

プロのピアニストの一卵性双生児の姉妹の話

キャラに関して理解するのに良い話があります。

橘玲氏の著書で紹介されているアメリカの一卵性双生児の姉妹の話です、これで説明します。

 

・姉妹の母は貧しいピアニスト。

・自分では子どもを育てられないと絶望し生まれたばかりの2人を養子にだした。

・1人は音楽教師の家に。

・もう1人は音楽になんの興味もないごく普通の労働者の家に。

 

大人になった姉妹はどうなったのか?

・1人はプロのピアニスト

・もう1人は音楽とはなんの関係もない仕事に就いた。

 

 

プロのピアニストの家の娘がプロになったと思いませんでしたか?

 

 

逆です。

 

・プロのピアニストになったのは音楽になんの興味もない家庭で育った娘

・音楽と関係ない仕事に就いたのは音楽教師の家庭で育った娘だった。

 

一卵性双生児は同じ遺伝子を親から受け継ぎ、母親がピアニストだから、2人とも生まれながらに音楽の才能を持っていたはず。

そして音楽教師のもとで英才教育を受けた娘が、才能を活かしてプロのピアニストになるのは誰もが考えられることなのに...

 

実際は逆。

何が起きたのでしょうか。

 

子供の人生に子育てはたいして関係ない、大事なのはキャラ

 

音楽になんの興味もない家庭で育った娘

姉妹は音楽の才能を受け継いでいた。ふつうの家庭の娘はそのことをまったく知らなかった。けれどなにかのきっかけで(学校で楽器を演奏するとか)、自分が周りの子どもと比べて音楽が得意なことに気づくでしょう。

音楽が得意なキャラを確立し、上手に演奏すればみんな褒めてくれる。

嬉しくてもっと練習する。

 

楽譜も読めない養親に育てられた娘がプロのピアニストを目指すようになる。

 

音楽教師の家で育った娘

まわりの家の子どもも音楽関係者ばかりだったのかもしれない。

そんな子どもたちは、親から音楽の才能を受け継いでいるから、少し娘がピアノを上手に引けたからと言ってぜんぜん驚いてくれない。

そうなると、自分がもっと目立てる別のこと(ファッションやスポーツ)が好きになって、ピアノの練習が嫌いになってしまう。

 

こうしてまったく同じ才能(同じ遺伝子)を持っていても、どんな友達集団に入るかで、キャラで人生は大きく変わる。

 

遺伝がすべてではないのです。

 

地方の中学から進学校に進学して衝撃を受けた

私の話に戻ります。

受験勉強を頑張った甲斐もあり、進学校に入学することができました。

 

そこでは勉強やスポーツがとんでもなくできる人

はもちろんいましたが。

 

何よりも

「おまえって、そんなことできる(得意)なのか!すげーよな!」

ってどんなジャンルでも褒める、認める空気感がありました。

 

こういうのをリベラルというのでしょうかね。

(そしてここまで他人に対して寛容な空気だったのは高校がピークだったかもしれない)

 

高校生ながらマジックをYoutubeに投稿してる人がいました、見た目はお世辞にもイケてるとはいえず学校が違えばいじめられていそうな人。

 

 

入学時は暗い人かな?という印象だった彼も、すぐに教室の中に居場所ができていました。

 

そんな空気感は楽しかったですし私は好きでした。

 

そして付き合う人の層が変わったのだと知りました。

 

今でもここに人生を切り拓いて行く上での大事な教えがあったと思っています。

 

成功の法則

「●●が得意なキャラ」になることで「●●」のちからはどんどん伸ばせる。

 

逆に「●●」が自分の夢であるパイロットの資質として、マッチしていればパイロットに近づけるのではないかと。

そう考えました。今振り返っても当たっていると思います。

 

まとめると

夢を叶えるにはその夢に必要そうな能力「●●」を育てることが必要

能力「●●」を育てるには「それが得意なキャラ」を確立する

 

これができれば、これまでの人生や環境という過去や生まれに関係なく、自分で自分の志した道に近づけると思ったのです。

キャラをコントロールする

 

成功するためのエッセンスです。

 

とにかく色々なことにチャレンジして自分の殻を破ってみて自分の中のたくさんのキャラを見つける。

そうしていくと得意なことがだんだんわかってくるものですよね。

 

もちろん得意でないことはどれほど頑張っても目立てませんが、人並みにできるようにしておくことはできます。

それって過大な自己肯定感の喪失を招かなくて済むんですよ。

 

 

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 おしまい。

 

エピソード5:誰でもわかる!簡単にアメリカとパイロットのルールの違いを解説する。[自社養成システムは何故あるのか]

こんにちはトロポです。

 

 前回、日本人というだけで旅客機パイロットになるのはアメリカよりも数年~数10年早いというハナシでした。

今回はその理由と日本でパイロットになる戦略のハナシです。

 

 

 

アメリカと日本のパイロットのルールの違いはどこから生まれたのか?

答えはとてもシンプルです。パイロットの数です。母集団の数ってやつです。

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2013年末の国の資料、各国のパイロットの数

パイロットの総数を見てみると日本が6800人、アメリカが27万人。ケタが2つ違う笑

 

人工に占める旅客機(エアライン)パイロットの数を見てみましょう。

日本で働く旅客機(エアライン)パイロットは19000人に1人、一方アメリカでは1300人に1人

文字通りケタ違いですね。

(ちなみに日本でのお医者さんの数は500人に1人。旅客機パイロットの40倍はいるわけです。ソースは2006年のですが。)

 

アメリカの旅客機(エアライン)パイロットの数は人口1人あたりでみると、日本の15倍もいる

紛れもなくこれは事実です。

アメリカは広大な大地があるので日本に比べて一般の人が飛行機を使う機会は

圧倒的に多いです。

農家の人が農薬散布のために飛行機使ったりしますし。

 

パイロットのライセンスの取得も日本よりずっとずっと安価です。

航空先進国であるのも納得です、飛行機が日本の人より身近にあると言えます。

 

Star Gazer野郎(@daudau787)さんの話はまさに飛行機が日常!ですね。

 

ビギナーパイロットの訓練にうってつけの、トラフィック(他の飛行機)が全然来ない

ド・ローカルな空港がたくさんあります。

アリゾナなど年中晴れてる地域は訓練スケジュールも予定通りこなしやすい。

=天候が悪くてなかなか訓練できないなんてことはない。

(ノースダコタ組の人、反論あるかもしれませんが日本はもっと飛べない日多いですから笑)

 

アメリカでプライベートパイロットのライセンスなら40時間くらいの飛行時間で取得できます。

 

プロパイロットの数が多いならそこから実績のある人を雇えば良い。

これがアメリカの基本の考えでしょう。

もともと移民の国ですし他の国出身のパイロットだってアメリカでパイロットとして働ける制度や文化があります。

(英語やグリーンカード等の問題はありますが)

 

良いサッカー選手は良いクラブにいけます。同じです。

ただパイロット場合はその能力の良し悪しを客観的に推し量るモノサシになってるのが

フライトタイム

なわけです。だからアメリカでは少しづつ経験を積み(=フライトタイムを貯め)ステップアップしていくというゲームのルールが出来上がっているのです。

 

日本のようにパイロットの数が少ない国は?自社養成の秘密

良いパイロットを雇いたいけど、そもそもパイロット自体がいない。

どうしよう?

 

①外国からパイロットを雇ってその数を確保しよう。

②お金はかかるけど会社で素人を雇ってイチからパイロットとして育てよう。

 

この2つが現実的な解決作ですよね。

 

①外国からパイロットを雇ってその数を確保しよう。

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外国人パイロットを雇う時の条件

まずは外国人パイロットだけど、日本人と同等以上の報酬を受けなくてはならないと法律で決まっています。つまり日本人以上にコストがかかってるわけです笑

 

今は日本でも会社によっては外国籍パイロットと一緒に飛ぶのが普通の会社がちらほらありますね。 

 

ただパイロットなのでもっと待遇の良い国の会社に転職することができます。

(エミレーツの副操縦士は公式サイトによると、住むところタダ、税金なし、年収1400万くらいでした...手取り1400ってことだから日本でいう年収2300~2500万くらいですかね。笑)

 

今世界全体でパイロット不足が叫ばれてる中、良い外国人パイロットをゲットするのは本当に大変なわけです。

 

②お金はかかるけど会社で素人をイチからパイロットとして育てよう。

足りない人を確保するには必然的に素人をイチから会社でパイロットにするしかありません。

そうして生まれたのが自社養成パイロットというシステムです。

 

ヨーロッパも日本みたいな国が多いみたいですね。自社養成というシステムがあります。

 

一方で、アメリカはほぼ自社養成はしていません。MPLでの養成も行っていません。

する必要が特にないのです。

MPLはヨーロッパや日本みたいにパイロットの数が足りていない国が採用しています。

 

自社養成はパイロットを目指す人にとっては本当に恵まれてるシステムです。

それ故に高倍率の就職活動を勝ち抜く必要があります。

 

そしてこれは会社にとってはかなりコストがかかるもので、

これまでは大手航空会社しかこのシステムを持ってなかったんですが、

www.ana.co.jp

 

http://www.job-jal.com/entry/

 

最近はスカイマークやANA WINGS(ANAのグループ会社)なんかも自社養成を始めました。

www.skymark.co.jp

 

www.anawings.co.jp

 

それから自社養成に近い新しいシステムもピーチが募集し始めました。

recruit.flypeach.com

 

これからのパイロット不足に対応するため日本の航空会社は動き出しています。

 

まとめ

日本は世界的に見てもパイロットの数が少ない国だった。

だから自社養成というシステムが必要だった。

 

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リツイートして頂ければどういう情報を求めてこの記事を人が見ているのか、私の中で情報が集まります。

そうなれば私が自分のつてで色々なエアライン関係者に実情を聞いて、その結果を記事にまとめることができるので皆さんに有益な情報をもっともっと送ることができます。

 

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 おしまい。